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パルクールとクライミングについて書きます                                            ホームゲレンデは日向神と鳥栖市四阿屋

タグ:ソロクライミング方法

a.クロールでの登攀

過去記事でも紹介したようにずっとソロ練習ではペツルのアッセンダーを使っていましたが、先日同じくペツルのクロールという登高器が安価で手に入ったのでこちらで登ってみました。


今回、過去に紹介した方法とは少し違う方法を試しました。写真を見ていただければわかると思いますが、紹介済みのものはハーネスとチェストハーネスをデイジーチェーンで連結する方法を取っていますが、今回は直接クロールで連結する方法を取っています。つまり前者は登高器とハーネスが間接的に(チェストハーネスをとおして)連結されてるのに対して、後者は登高器がハーネス、チェストハーネス両方と直結していることになります。
で、違いをまとめると、

1、テンションをかけた時にチェストハーネスが顔のあたりを邪魔しない(過去のものは登高器がチェストハーネスを経由していたのでチェストハーネスに加重が多くかかる)
2、ロープが流れやすい(クロールの方が軽く、またカラビナで両ハーネスに直結させているためにクロールそのものが動きづらい)
3、解除しずらい(アッセンダーやベーシックに比べて小さい上に左利き向きになっている)

 まあ、1はクロールに関わらずな話ですが、ハーネス、チェストハーネス両方と直結させる方がテンションをかける恐れのあるルートではいいでしょう。2と3は書いたとおりです。3は慣れの問題かもしれませんが。。

b.短ハングでの登攀

下の写真は鳥栖市の四阿屋ですが、みてのとおり、垂直→ハング(ほぼルーフ)→垂直となっており、こういう壁では以前紹介した方法よりシンプルな方法で登攀できます。

みてのとおりですが、ハングを超えられずテンションするとユマーリングするかロープ切断しかなくなるので、上の写真のようにFIXロープを適当なところに垂らします。もちろんスタティックロープで。これで壁に戻れるでしょう。事前にスタティックロープとカラビナを用意し、トップFIXして懸垂下降するときにスタティックロープもFIXします。

以上です。
参考になれば幸いです。

次回記事はこちら。
ソロでの外岩練習方法7(トップFIXによるバックアップ法)

※トップFIXでクライミングを行う方は自己責任でお願いします。 仮に事故など起こっても当方では一切責任を負いません。  

福岡、久留米、九州、パルクールとクライミング 
Parkour & Climing in Fukuoka Kurume Kyusyu Japan

Extreme Ways 山口陽平
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さて、このシリーズの初回記事でハングした壁では別の器具が必要なので別途記事を・・・と書きましたが、今回その記事を書こうと思います。
毎回写真を使って書いてましたが、今回は概念図を書きました。おそらくこの方がわかりやすいかと。

装備
※トップFIXの装備に加えて
ヌンチャク × 2〜3
カラビナ × 1
予備の登高器 × 1

以下、概念図です。


通常のトップFIXでは当然落ちたら宙吊りに
宙吊りから無理矢理懸垂で降りられなくもないですが、まずアッセンダーのテンションを解除するのが大変ですし、解除時ロープをキズ付ける可能性も。ロープで縄登りしてテンション解除、さらに空中懸垂。腕がガチガチになるでしょう。あるいは登高器やタイブロックなどを別途持参しておけばユーリングできますが、支点に手が届くところまで登り返して、空中懸垂で降りて・・・というのは面倒といえば面倒。

こちらがHangトップFIXの概念図 
             

1、ロープを終了点上部にFIXし取り付き点へ降りてきたらダブルにしているロープをそれぞれシングルで使えるようにします。

2、ロープ①が壁に沿うよう登攀する前に下から1、2番目までにヌンチャクをかけて、そこにロープ途中でエイトノットをつくりクリップする。ロープ②は通常どおりアッセンダーと連結。

3、登攀前、ヌンチャクを1本持参する。登攀開始し、ひとつ目のヌンチャクまできたらビレイループもしくはチェストハーネスのタイインとロープ②(支点クリップしたヌンチャクより上)に持参のヌンチャクもしくはカラビナをかけてそのまま登攀。2つ目の支点にヌンチャク、ロープをかけてある場合かけかえて登攀。

4、フォールしてもロープ①は壁の傾斜に沿ってFIXしてあるために振られ幅が少ない。ロープ①→ホルド→再登攀が可能。
 
ロープ①と自分のハーネスを繋ぐのにヌンチャクとカラビナを両方書いたのは、環境によってはヌンチャクだとフォール時に壁から離れすぎてしまうので、 そういう激しく被っている壁ではカラビナがいいという意味で両方記載しました。

ポイントとしてはロープ①を支点ヌンチャクにFIXするとき限界まで張ってFIXするようにすることです。たわんでいては落ちたとき壁まで手が届かず大変な思いをすることに。なので、登攀前にしっかりとした準備が必要なのですが、場所によっては1ピン目が高すぎてロープ①をセッティングできない、ピンの位置が悪くロープ①を壁に沿うようにFIXできない、なんてところもあるかもしれません。そういう可能性がある場合は潔く諦めるのが賢明でしょう。

注意点ですが、この方法だと終了点からのロワーダウンはシングルロープでの空中懸垂になります。方法はいろいろありますが、カラビナをかますなどして安全に降りましょう。
また、もしものことを考えて必ず予備の登高器を持参してください。

次回記事はこちら
ソロでの外岩練習方法6(新器具投入と短ハング壁登攀)


※トップFIXでクライミングを行う方は自己責任でお願いします。 
仮に事故など起こっても当方では一切責任を負いません。

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すべての外岩でトップFIXによるソロクライミングができるわけではないので、トップFIXで登れる岩場を紹介していこうと思います。

第1回目はお馴染みの四阿屋です。
ルート、アプローチの詳細はこちらのサイトを参考にしてください。


この岩場の特徴はコンパクトな岩場でありながらルートが多くかつ整備されている点。そして終了点上のテラスにはトップFIXにはもってこいの立木が豊富にあることです。岩基部の左右から上へ回り込むことができ、しかもテラスはスタティックロープが張られています。 

立木が豊富

インディアンフェイス〜アスレチック上部のテラス

左壁、ジェードルラダー〜リトルドラゴン上部のテラス

さらに木々や沢のおかげで夏場涼しいことや飲料水を確保できる(生水を飲めます!)のも嬉しいところです。
いずれのルートもしっかりとした立ち木にロープをFIXできて快適に登攀できます。 


※トップFIXでクライミングを行う方は自己責任でお願いします。 
仮に事故など起こっても当方では一切責任を負いません。 

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トップFIXでリードを想定した練習もできるので、今回それを書きます。

方法ですが特別なことは何もしません。「トップFIX」+「リードの登攀装備」です。トップFIXでの登攀準備をしたらハーネスに10mm10-15mのロープを結び登攀開始。登りながらヌンチャクをかけていきロープをクリップしていきます。
準備時、通常通りロープの片方の末端はハーネスのタイインにロープを結びますが、もう片方の末端は何もせずにそのままにしておきます。すると登るごとにロープもついてきますので、ヌンチャクが無くなるまでクリップが可能になります。

普通に8の字で。もう片方の末端はさばいて取り付き点に。

リードで登ってるっぽく見えます!

ポイントとしてはロープの長さを10m-15mにすること。これくらい長いとクリップ時にロープの重さを感じ、またクリップ後も支点に加重されるので多少本番味が増します。もちろん2.3mでもできますが、個人的にスカスカなクリップは練習になるかどうか、??に感じるもので。。。

リードそのものの練習として最適ですが、ホールド制限の代わりにもなるかも??

よかったら試してみてください。

次回記事はこちら。
ソロでの外岩練習方法5(ハング壁での登攀方法 〜HangトップFIX〜)

 
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シリーズ最新記事はこちら。
ソロでの外岩練習方法9(究極の方法?)

まず前回までで紹介したトップFIXによる練習登攀の要点をまとめると、

1、作業時には必ずセルフビレイ
2、常にロープの状態に気を配る
3、確認作業をいつも以上に
4、常に臆病でいること

すでにクライミングをやられている方であれば上記をわざわざ説明しなくてもいいかと思いますが4番についてだけ。4番の心がある限り1〜3番は疎かになることはないと思い書いてます。登攀しているときはついつい夢中になることもありますが、準備時や登攀直前、終了点では臆病になり今一度1〜3に注意して練習しましょう。

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さて、前回までの記事で紹介した方法ではシンプルすぎて不安な方はこちらのペツルが公式に推奨?している方法があるので見てみてください。

General principles for solo climbing with a fixed belay rope

ただ、前回までの記事で書いたように上記のような方法で練習するとシステム自体が煩雑で、登ることよりシステムに時間と気を使わなければならず返って危険、というか結果的に効率の悪い練習になりそうで、私は前述したシンプルな方法で練習してます。ここまでくるとその人ぞれぞれの価値観の話になるのでしょうが、登攀そのものには直接関係ない動作(チョークは除く)は2つまでにしておきたいものです。通常のリードクラミングでもヌンチャクをピンにかける動作とヌンチャクにロープをかける動作と2つですね。紹介したトップFIXでは、アッセンダーを擦り上げる動作とロープ位置のコントロールの2つは必ず行わなければならず、これ以外の動作は行わないようにしましょう。 

以上です。 

次回記事:ソロでの外岩練習方法4(リードを想定した練習)

※この方法を試される方は自己責任でお願いします。 
仮に事故など起こっても当方では一切責任を負いません。 


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